2022年の6月初旬に、macOSベースのファイルマネージャー、FTPクライントの「ForkLift」が、買い切りでもない、サブスクでもないハイブリッドなライセンス体系(プライスモデル)の導入を発表し、2023年9月上旬にリリースされた「ForkLift 4」より、このライセンス体系が実際に採用されている。
これは、初回購入時に一定期間のフリーアップデートの権利が付随し、その期間が過ぎるとラインセンスを更新するか、或いはアップデートを止めるかの何れかの選択になる。サブスクと違うところは、ラインセンスを更新しなくてもアプリケーション自体が使えなくなる訳ではなく、その後も同じバーションをライフタイムにて継続して使用する事が可能となっている。
同様のライセンス形態は、FTPクライアントの「Filezilla Pro」、コーディングエディターの「Panic Nova」等、用途が被る(所謂競合する)ソフトウェアにおいても採用されている(「Filezilla Pro」は、公式サイトから購入したライセンスがこの形式となる。App Store版は通常のサブスクリプションなので要注意)。
歴史が古く、UIやプロジェクトサイトのデザインからもレトロな印象を受ける「Filezilla」だが、ことライセンスに関しては先を走っていたのだと感心した。
オンラインのサーバーサイドで提供するサービスモデルのソフトウェアならまだしも、継続的な開発が保証されない買い切り型のソフトウェアまで続々とサブスクリプションモデルに移行するのは如何なものかと思う昨今だが、この形式であれば、ユーザーサイドの負担としては一定スパンでのメジャーアップグレードと大差ないと言えるのではないだろうか。
「Commander One Pro」は、ライフタイムにてアップデート可能なパーマネントライセンスを提供
一方で、同じ分野で競合するElectronic Team, Inc.による「Commander One Pro」は、ターミナルエミュレーターやプロセスビューアーを内蔵する他、iOS、AndroidデバイスのMTPモードでのマウントや、GUIでのroot権限の取得等、ユニークな(一意な)機能を実装しており、ライセンスに関しては、アクティベーションによるインストール台数の制限はあるものの、一度購入すればライフタイムにてアップデート可能なパーマネントライセンスを通常版とは別枠にて提供している。
アップデート可能な期間に制限はあるが複数台にインストール可能な「ForkLift」か、アップデートは無期限だがアクティベーションによる台数制限のある「Commander One Pro」か。機能面と共に、購入する場合には重要な判断材料の一つとなるであろう。